はじめに 出会い――あるいは、現実にGD3をセレクトする理由

1st day 「初心の章」

2nd day 「交換の章」

3rd day 「深化の章」

4th day 「本分の章」

5th day 「穏健の章」

6th day 「共通の章」

7th day 「混迷と失敗、そして復活……の章」


Final day 「別離の章」


 インプレッサという車は、とかく偏屈……いやコダワリの「スバリスト」と呼ばれる人たちの中でも別格の存在なのではないでしょうか。またモータースポーツ好き、特に90年代WRC好きにとっては、ランエボと人気を二分するスーパースターでしょう。

 上級セダン「レガシィ」とコンパクトカー「(初代)ジャスティ」の間を埋める小柄なセダン/ワゴンとして開発されたというコノ車ですが、その心臓部はレガシィと同じEJエンジン。トップグレードの「EJ20」はWRC仕込みの強心臓であり、トヨタ・セリカによって切り開かれた90年代のWRC日本車黄金時代を担いました。その後は苦戦を強いられてしまいますが、それでも国内レースでは今なお大活躍中です。

 そういうことからか、注目されるのはトップグレード「WRX」か、それをさらにチューンした「STi」仕様であり、1.5リッターの自然吸気仕様なんざぁ「乗る意味がない」なんて言われることもあります。ああ、なるほどなるほど、わかりました。そういう意見もありますか。まあいいでしょう。

 しかしながら、スバルの4駆のルーツは実用性にあります。詳細はwikipediaかなんかでも検索してもらえれば書いていますが、宮城のスバルディーラーが東北電力から「冬道を安全快適に走れる車を作ってくれ〜!」と依頼を受け、他社の他車(日産ブルーバード)の部品を流用して現場レベルで開発したのが世界初の量産車4WDカーであります。そう、国産4WDは初めから、実用本位の思想のもと開発されたのです。プロジェクトエーックス!

 それに、カタログスペック上は確かに非力なNAモデルですが、基本的なコンポーネントは上級モデルと一緒ですから。そうすれば、パワーがない分車体に余裕があるNAモデルもいいんじゃないの? と思うのです。特に私の車はマニュアルですから、上り坂でちょっともたついたらギアを落とせばいいんだし。


 マニュアル。

 4WD。

 セダン。

 NA。
 

 ……我ながらつくづく好きものというか、私やマリオ二等兵殿のような「よほどのコダワリを持つ人」しかチョイスしないでしょうね、こんなの。実用第一ならスポーツワゴンを買うだろうし、走り屋気取りのおニーさんや、よくいる走り屋風ギャル(ともに湾岸ミッドナイト的表現)だったらSTiに乗るでしょうし。

 だからこそ、このホームページが生きてくるんですよ。「そんなの、乗る意味あるの?」という人たちに読んでほしいとは思いませんが、真摯なエンジニアリングによって作り上げられたインプレッサ。自分で所有してステアリングを握ることでわかる魅力、新しい愛車との日々を、つづっていきたいと思います。



 なおタイトルの「SUBIE」というのは、主に北米のスバル愛好家が自分のスバルを呼ぶ時に使う愛称です。シボレーを「シェビー」というようなものですね。日本では「スバラー」「スバヲタ」そして「スバリスト」と色々な呼称がありますが、私にとってはどうも重すぎたり軽すぎたりニオイがきつかったりするのでね。アメリカかぶれの私らしく、ここはSUBIEで通していきたいと思います。
 
Gentleman, start your engine !


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