2nd day 「交換の章」


 新しい車「スバル・インプレッサ」。

 最初の1か月くらいは、電車で言うところの「習熟運転」ですね。それまでのファミ子こと「ファミリアS-ワゴン」とは色々と違っている部分があるので、そういうのを慎重に探りながら運転しました。それと同時に、色々と車のことについて調べ、「どういう要素が、どういう動きにつながるのか」というのを理解しようと努めました。

 その中で、わずか1か月の間に交換したものがあります。

 「タイヤ」と「ウォッシャー液」です。


 この時期、北東北は深い雪が降り積もっています。最強寒波が何度もやってきて、吹雪大雪凍結云々……刻々と変化する路面状況、運転には気を遣わなければなりません。それでもスバルのアイデンティティである水平対向エンジンとシンメトリカルAWDシステム。独立懸架サスペンション。これをもってすれば冬道も何のそのです。……

 ところが実際に運転してみると……結構、滑るんですよね。

 積雪凍結の低速カーブで「ズリッ、ズリッ」と滑るのはよろしい。それは初めてじゃありませんし、ある程度想像できることですから。ただ、直線道路を時速40キロくらいで走っていた時突然「ズルッ」と横滑りした時は、対向車が来ていたこともあって、少しくヒヤリとしました。  

 ある程度踏み込んでいってもベタッと地面に張り付くような安定感を持っていたファミ子に比べて、こちらは結構アクティブに走行性を重視しているのかな。すなわち「滑らない」ようにする4WDではなく、「多少滑っても前に進むことでコントロール性を取り戻す」攻めの4WD。そう思って、真冬の八甲田を走っている時にカーブで滑ったらブレーキではなくアクセルを踏み込みました。そうすると強力なトラクションが雪を蹴散らし、氷を削り、前へ前へと進むのです。スピードレンジは遥かに低いですが、たぶんラリーの理論です。

 ただ、私は実用メインですからね。毎回そんな攻め攻めの走りをしていたのでは疲れてしまいます。そして、私や私以外の誰かを巻き込むリスクが増大してしまいます。リスクは小さい方がよろしい。そこでまずは自動車と地面をつなぐ最重要デバイスであるタイヤを交換することから始めたのでした。

 何せ車を買った時にオマケでついてきたスタッドレスタイヤはブリヂストンのブリザックREVO2……
 
REVO2 ?

 そう、REVO2です。今の最新スペックのブリザックはVRX2ですが、REVO2です。2006年に製造されたタイヤです。12年物のヴィンテージタイヤなんです。もしかして車と一緒に引き取ったやつなんじゃないのか?

 一般論としてタイヤというのは、溝があるとかないとかではなく、年月によってゴムが劣化します。特にスタッドレスタイヤは夏タイヤに比べて柔らかく(雪を噛んでグリップさせるため)、見た目には溝が十分あるにしても、ゴムが硬くなったタイヤは用をなしません。たぶん異様に滑るのは、タイヤのせいというのもあるでしょう。
 
 とはいえ、あと1か月もしないうちに春になるし、本格的な新品スタッドレスタイヤは今年の晩秋あたりに買うことにして(どうやらシーズン直前が1年で一番お得らしいので)。今回は中古カー用品店に売っていた2012年製のグッドイヤー製タイヤを購入しました。工賃・廃タイヤ処理料含めて1万円ちょっとでした。

 これも結構な年月を経たタイヤですし、ブリザックやアイスガードといった国産スタッドレスタイヤのような強烈安心感はありませんが、ちょうど暖かくなってきたのでね。積雪路凍結路を走ることもむろんありますが、意外と雪が解け切ってアスファルトが露出するシーンを走ることもあります。そうすると逆に、グッドイヤーの性能が生きてくる……ような気がします。欧州とかでは、雪が降っていない場面での高速性能を考慮した調整を行っているそうなので。


 あとは、ウォッシャー液ですね。
 
 これに関しては、この記事を書こうと思った後、色々あったのでそれも含めて書きます。
 
 最初のトラブルは納車時。青森県五所川原市の車屋さんは津軽訛りのアクセントでこんなことを言いました。「いや〜実はひとつ問題がありまして……ウォッシャー液が、凍っちゃったんですよね〜」
 
 なんだって?
 
 一応、車屋さんの話では、しばらく運転して車を温めれば出るようになるから、ということでした。実際その日はそうだったのですが、何せ今年は最強寒波が何度も来た年ですからね。最強は一つだけだと思うんですが、とにかくテレビで何度もそう言っているから仕方がありません。いずれにせよ津軽青森はマイナス13度とか16度とか、そういう日が何日もありました。低気温、しかもシベリアンブリザードもかくやと言わんばかりの超絶猛吹雪の中では、100キロ走ろうと200キロ走ろうと溶けません。
 
 そんな日々が一週間かそこら続き、そのうちモーター音さえ聞こえなくなったので、「これはもう機械が壊れたんだ」と判断。私のかかりつけ整備工場である滝沢市木賊川の「井邦自動車板金」さんに持ち込みました。初期不良の保証で何とか直してもらおうという算段です。
 
 診断結果。
 
 「ウォッシャー液に関する機構が奥の奥まで凍り付いているので、下手にバラすより自然解凍を待った方がよい」
 
 挙句の果てに「ウォッシャー液に水を入れた犬神さんが悪いんじゃないの」ということに。だからオレじゃね〜っすよ! と言いたかったのですが、そこで議論をしても仕方がないのでそのまま引き下がりました。そして数日後、何とか水が出るようになったので、今までタンクに入っていた液をすべて抜き、マイナス30度まで凍らないという触れ込みの新ウォッシャー液を希釈なしで投入しました。
 
 ……一時的ではありますが、また凍りました……。
 
 そうなると本当に液を希釈していたのか、それとも構造的な問題なのか、はたまた「そういうものだ」と受け入れるべきなのか。ひとつ、検証するべき課題ができました。
 
 
 
 「一年以内に仕上げろ 今度はマイナス50度にも耐えられるウォッシャー液だ   何よりもカタく(凍結)ならず 何よりもしなやかなウォッシャー液にしてくれ   このインプレッサはお前にしか直せない」  
 「バカヤロー ウォッシャー液買って来て自分でやれ」

 
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