1st day 「初心の章」


 2018年1月25日、納車。

 新春特別セールのオマケとして「アンダーコート」「スノーワイパー」それから「スタッドレスタイヤ」などがついて、さらにビッグモーターで査定額ゼロ円提示を受けた愛車ファミリアファミ子を〇万円で下取りしてもらい。岩手の陸運局まで自走して持ってきてもらい、ファミ子を見送っていよいよ新車に乗りました。いや中古車ですけど。

 6年ぶりのマニュアル車。気分は教習所時代です。

 まずはブレーキを踏みながらキーを廻して……廻して…………あれ? 何で回らないのコレ!?

 慌てて説明書を取り出し、結構初めの方のページを読んでみると、なるほど最近の車は「クラッチスタートシステム」というのがあるんですね。ブレーキと一緒にクラッチも踏み込まないと、セルが回らない、と。まあいいでしょう。右足左足ダブルでグイっと踏み込みキュルキュルブオォーン! そして2秒くらいかけてゆっくりとギアを入れ、恐る恐る左足を緩め……


 動いた!!!


 そんなことを訴えるためにどれだけ行数を稼ぐんだといわれると思うんですが、6年ぶりのマニュアル車ですから(2回目)。しかも前回は軽自動車だったし。ようやくマニュアルの普通車を運転できるんだ! という感動をしみじみと感じながら実家に行き、家族にお披露目をしたのでした。


 前回、今回と「教習車みたい」というフレーズでこの車を説明しましたが、それはつまり「きわめて扱いやすい動力性能」ということです。そろそろとアクセルを踏めばそろそろと走るし、岩手ならではの長い国道を走る時は5速1800回転くらいで法定速度をキープ。そもそもこの回転数ではターボ車もブーストがかからないでしょうから、……あれ? そう考えるとやっぱりターボいらないですね。WRXいらないですね。STiなんかいらないですね。

 発進、加速、停止。

 右折左折は30m手前で方向指示器を点灯させること。

 追い越しは方向指示器で合図をして3秒後に。

 ……15年前に自動車教習所で教え込まれたことを、丁寧に丁寧に思い出しつつ実行する。決してラフなアクセルワークをせず、確実にひとつひとつの動作をこなしていく。おとなしいEJ15エンジンはそれに対し粛々と答え、スムーズに加速していくのです。

 軽すぎず、重すぎず。

 運転する方も何となくジェントルに取り扱わなきゃならないなと。これはファミ子に乗り始めた頃もそうだったんですが、あまり乱暴に乗り回す類の車ではないなと思うのです。丁寧に、しかし過保護にならないよう機械と向き合っていく。そういうことが求められるのかな、と。

 要するにこういうことです。



 たとえば よくできたチューンドって
 
 テーラーメイドの服みたいなモンと思うんですヨ

 
 ・・・・
 
 
 縫い目を確かめながら
 
 ゆっくりと袖を通すのが大事でしょう――

あたり前のそーゆーコトが

 できるんですよね カレ(引用者注:朝倉アキオ)は――


 ・・・・

 
 機械をナメていない そして過信しない
 
 いつも機械と対等でいようとする――
 
 
 「湾岸MIDNIGHT」 Vol.21 p157-161 "DISCOVER(知る)" 2 より

 
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