3rd day 「深化の章」


「いいトコでやめておく なんでもコレが大事なんだ

(カタログ燃費で)
 20q/l出る車なら18q/lで・・・・ それでもう 十分オイシイってわけだ

 腹八分め 身の程を知る 本当に大事なことだ

    ・・・だけど かしこくねーからダメなんだ

 20q/l出る車なら20・・・・ いや 20q/l以上出してみないと気がすまねえ

 20q/l出たら次は21q/l その次は22q/l いつまでも終わらない」 



   私が目指す「上手な運転」とは、サーキットでのラップタイムを削る走りではなく、良い燃費を出す走りです。0.1秒でも速く! ではなく、0.1kmでも長く! と。

 それは燃費的に不利なAT車に乗っていた時代から、ずっと追いかけてきました。可能な限りアクセルは踏み込まず、ロックアップ機構を駆使して、少しでもエンジンからのパワーを効率よく伝えられるように。本や雑誌で得た知識と自分の経験を合わせ、そのうえで「それが本当に正しいのか?」ということを確認したり。
 
 最近だと発進加速の仕方について色々ありますよね。一般的には「ふんわりアクセル」といって、5秒で20キロくらいに達するような開度で走り出すとよろしい、と言いますが、いやいやそれよりも早く巡航速度まで持っていってアクセル開度を一定にした方が燃費がいい! という意見もあります。特に後者については私の大好きな元レーサー・現モータージャーナリストの太田哲也さんがおっしゃっていたことなので、「果たしてどちらが正しいのか?」ということを、いつも考えながら走っています。

 まあ、「どちらが」じゃなくて「どちらも」正しいと思うんですけどね。早く時速40キロに到達するためにベタ踏みすれば瞬間的に燃費が悪くなるのは火を見るよりも明らかですが、ふんわりアクセルを意識しすぎてもいけない。今どきの電制スロットル車両であれば人間の不正確なアクセルワークを全部修正して最適な開度にしてくれるでしょうから、そんなに気を使わなくてもいいと思うのですが、私のはなかなかのアナログ制御ですからね。ちょうどのいいところを探すのが大事なんだ(高木サン風)。

もっとも、何事も過ぎたるはなお及ばざるが如し。低燃費を意識しすぎて低速低回転走行ばかりやっていると、油温が必要な温度まで上がらず、オイルに混入したガソリンや水分を温度によって蒸発させることができなくて、結果的に性能を落としてしまう……いわばオーバークール状態になってしまうと。そういうことらしいのですね(藤沢公男監修『ぜったい得するオイル選び』より)。

 低速低回転低燃費走行。確かに回転数を上げなければガソリン消費量は少ないです。これは現実問題として、事実として言えます。ただ、こうしてメカニズム的によろしくないとなれば、ちょっと考えを改めなければなりません。多少ガソリン消費量が増えようと、エンジンのため愛車のために最善の走らせ方をしたい。せっかくアナログ要素の多い車(マニュアルシフト、メカ的4駆システムなど)に乗ってるんだし、車に合わせた人間になります。


 だからというわけでもないのですが、何度か高速道路で結構なスピードを出したことも何度かあります。

 結構な、と言っても私の運転ですからね。

 制限速度を超過しないように、なおかつ低燃費を意識して、かなり慎重に右足の力加減を調整しているのですが――そうすると、どうしても90キロ台になってしまうんですよね。そこで100キロ、あるいは110キロ(制限速度試行区間)まで持ち上げていく。そんな感じです。

 ただ、とにかくイタワリイタワリしか頭になかったファミ子の時代とは違って、「ある程度スピードを出した時に、スビーはどんな走りをするのか」ということを確かめてみたいという思いもありました。もちろんターボもないし排気量も小さいのですが、一応EJだしスバルだし。ちょっぴりだけ意識して走ってみよう、と。そう思ったのです。ちょうど、5速3千回転メーター読み100キロそこそこで登坂車線を走っている「のんびりクルージング」モードの私の横を駆け抜ける最新型トヨタプリウスがいたし。

 「こーゆー場所をこーゆー時間帯にプリウスで走っているんだ その気ってコトだろ」

 湾岸ミッドナイトの黒木さんなら、そう言ってバトル開始です。しかし私のルーツはレーシングカーでもなくストリートでもなく『パトカー』ですから。「タイトーチェイスHQ」であり「ホットパースート」であり「こち亀」ですから。どちらかというとインターセプト、

 「ナンシー、逃走車を発見! ただちに逮捕に向かいます!」

 そんな感じです。さてアクセルを4割ほど多く踏み込み、EJ15のトップエンドを目指してゴーです!

 (中略)
 
 ……とりあえず、140キロくらいまでは出ましたね。それでも5速6千回転(レッドゾーン)までは余裕があり、もっと踏み込めばもっと出そうでしたが、肝心のプリウスが変なところでブレーキを踏んで減速しているので、

 「もしかして、スピードを出そうと思って出しているのではなく、気が付いたら結構な速度が出ていたからあわてて減速しているのかな」

 そう判断し、私も追跡をやめました。別に追い越したいと思っているわけではなく、「そっちがその気なら」って感じで追いかけただけですからね。もちろん、十分な車間距離を取りながら。というか、単純に私のスビーがどこまでやれるのかを確かめたかっただけですから。


 とりあえず、胸を張って言えることがあります。
 
 GD3インプレッサは、言うほど遅くありません。EJ15は、言うほど非力ではありません。そりゃ〜もちろんEJ20+ターボで300馬力のWRXとかSTiとかには及びませんが、少なくとも110馬力のファミ子より確実に加速はいいです(向こうはトルコンATだから根本的に土俵が違うけど)。140キロも出してまだ余力があるのなら、ストリート(公道)を走るには十分でしょう。
 

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