6th day 「共通の章」


 前回の更新から4か月あまり。夏をすっ飛ばして秋も間もなく去ろうかという11月中旬の今日この頃です。

 その間どうしていたのか。もちろんインプレッサとの付き合いは変わらずですが、正直なところ色々なことがありすぎて、車のことを深く掘り下げることができなかったのです。仕事が忙しかったり、そのせいで精神的に追い込まれたり、逃れ逃れてたどり着いた精神科でADHDと自閉スペクトラム症候群の診断を受け投薬生活が始まったり。

 でも、何よりも大きいのは、私――四輪好きをずっと貫き通してきた私でありますが、このたび二輪免許を取ったのです。といっても小型限定ですけどね。

 7月18日から教習所に通い始めました。詳しい話は割愛しますが、初日で転倒→狭路走行(いわゆる一本橋)で24回落下→卒検2回落第……と、平坦な道のりではありませんでした。それでも何とか雪が降る前に、そして2段階目の見極めの有効期限が切れる前に学校を卒業し、正式に公道を走れるようになったのは、良かったなと思います。
 
 中古品屋に足しげく通い、メルカリなどを駆使して装備を買いそろえ、一番大事なバイクはグーバイクで。偶然「委託販売」という形で盛岡市のバイク屋さんに並んでいた「カワサキ・Dトラッカー125」(愛称:小虎)を購入しました。
 
 125って遅いよね。パワーないよね。通勤通学の足代わりでしょ。っていうかバイクの免許って言ったら普通二輪でしょ。なんでわざわざ排気量限定免許にしてんのにAT限定じゃないの?
 
 ……どうぞ、なんとでもおっしゃってください。
 
 少ないパワーを持て余すことなく使い切る喜び。何かといえばカタログスペックばかりを評価する方々には理解できない楽しみ方ができるのが私ですから。ハイ、ここでインプレッサの話に戻ります!
 
 
 ええと、前回の記事で書いたように、何度か危ない目に遭って以来、私はムチャな運転を極力慎むようにしました。

 流れのいい道路でも下道は60〜70キロ。高速だったら110キロ前後。いくら車通りが少なくてスピードが出せそうな状況だとしても、急にわき道から誰か(または動物)が飛び出してくるかもしれないし、わき道でパトカーが息をひそめているかもしれないし、覆面パトカーが走っているかもしれない。実際そういう状況で取り締まりを受けている車を何度も見ました。頑張ってスピードを出したところで信号があれば止まってしまうし、無かったとしても10分15分でしょう? そんなリスクいらないですよ。

 そういう運転スタイルなので、100馬力もあれば十分です。峠道の上り坂で加速が頭打ちになったら自分でギアを落とせばよろしい。オートマチック車ならキックダウンしたりなんだりともどかしさを感じるでしょうが、こうやって自分の意志をダイレクトに伝えられるのがマニュアル車のいいところ。100馬力を自分の意志で十二分に使い切る楽しみ――言い換えれば、車に「乗せられる」のではなく、ましてや「もてあます」「振り回される」こともなく、「乗りこなす」ことができるのが、我が愛車・NAインプレッサの魅力と言っていいでしょう。

 その上で、運転する人間にきわどさを感じさせない安心感も大切です。それは上位グレードと共用する過剰に高剛性なボディと、自然で確実な動きをしてくれる機械式4輪駆動システムのおかげです。ムチャな運転をしたがる人には物足りないでしょうが、私にとっては十分です。

 そして、その安心感はバイクの免許を取ったことで、より確固たるものになりました。「アンダーな性能を使い切る楽しみ」という部分は共通するわけですが、より自然に近い乗り物ですからね。下手な操作をすればあっという間にケガにつながる危険な乗り物である分、運転すること自体で感じられる喜びは、インプレッサよりも格段に大きいわけです。

 といって、そのためにインプレッサの魅力が損なわれるわけではありません。いや最初は私も「やっぱりバイクの方が車よりも楽しい」と思い、インプレッサから心が離れつつあったのですが、そうじゃないんですよね。

 車とバイク。両方に乗れるようになって感じたもの。共通することと異なっていること。

 バイクだけだとちょっと不便だけど、車だけだと物足りない。――だから両方大事だし、両方楽しい。



 すみません、普通こういう車とかバイクとかの話って、「どこそこのパーツを変えたら〇〇馬力上がってレスポンスが劇的に良くなりましたヒャッホー」みたいな記事を書かないと読んでいる方もつまらないと思うのですが……油脂類以外は特別に手を加えていないので、今日はこのくらいで終わります。

 とにかく私はこれからもインプレッサと走り続けます。雪が降ればバイクに乗ることはできませんが、それまではめいっぱい楽しみます。終わりで〜す!(三四郎ふうオチ)。






 「加速のいいクルマは飽きやすく、遅いクルマには慣れるということもある」
 
 
 数少ないNAインプレッサ乗りの方の記事です。まさしくその通りだと思います。
 
 NAインプレッサ、競争する車じゃないんです。

 かといって「ゲタ代わり」というほど安い車でもありません。

 地味だけど質感がある。穏健だけどやる時はやる。そういう車なんです。


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