かってに応援企画!
第2回ミスミストパーティーメタメタライブおぼえがき





2023年6月20日、マイノリティ・メタバースアイドルでVtuberの蘭茶みすみさん(以下「みすみんサン」)の単独ライブ『第2回ミスミストパーティーメタメタライブ』が、東京・阿佐ヶ谷TALKING BOXにて開催されました。

 ライブの模様はツイキャスによる配信(有料)も同時に行われ、これによって実際に会場に行けない多くのファン『ミスミスト』も、みすみんサンのライブを視聴することができました。私もその一人です。

 配信で視聴したので会場の雰囲気とかはまったくわからないのですが、ひとまずライブがどのような流れで展開していったのか。その辺りの内容をレポートしたいと思います。

オープニング
〜はじめてのメタバース〜

 19時30分に開演したライブは、「メタバースやったことないよ〜という方向け」の解説ですね。メタバースって何なの? という用語説明から始まり、実際にみすみんサンが配信の際に使用している機材の説明、さらに「ヘッドマウントディスプレイをつけると、どのように見えるのか」というお話がありました。


鏡映しに自分の姿を確認するみすみんサン

 VRの最大の特徴は、「没入感」と言われる感覚ですが、それをスクリーンやPCの画面で見る私たちにはなかなか分かりづらい感覚です。今でこそVRデバイスを家電量販店などで体験する機会も増えてきたし、「頭の動きに合わせて景色が動く感覚」というのは体験的に理解できる機会はありますが……こうして説明してもらうと、さらにとてもわかりやすいんですよね。私もメディフェスの時に、みすみんサンの説明で感覚として理解できました(後述)。

ライブパート
〜セットリスト解説〜


 そんなメタバースに関する講義(?)が終わった後は、いよいよライブパートです。10点トラッキングを取り付けて肘と膝の動きの動きが検知されるようになったみすみんサン、素晴らしい歌とダンスを披露してくれました。以下、全曲を振り返ります。

1.『みすみんのテーマ』

 5周年アルバムでもそうでしたし、メタソニの時もそうでしたが、定番のオープニングですね。ご自身でも「私はこうである、という曲」と説明しておられました。そのままズバリ自己紹介ソングです。あまり多くを語る必要はないですよね。その代わり写真を2枚貼ります。個人的にも、いい瞬間を切り取れた気がします。



(手足も表情もこの通り、みすみんサンの魅力がいかんなく発揮されています)

2.『メタバースおわり』

 次の曲は今回のライブで初披露された楽曲です。タイトルは……口頭で聞いた内容なので表記ゆれ、または聞き違いがあるかもしれません。歌詞の内容としては、なんかディストピア的と言いますか……破壊され尽くしたメタバースの世界で、それでも愛のために生きることをあきらめないよう呼びかけ続けるみすみんサン……と言えばいいのかな。もう完全に私の主観になってしまいますが、そんな感じです。

3.『はじめてのザックルタイム』
4.『メタバース音頭』

 ファンにとってはおなじみの楽曲が続きました。3.についての(私なりの)詳しい解説は5周年記念アルバム解説で書いておりますので割愛しますが、ザックルとはZuckerと書きます。「砂糖」という意味です。
 また4.については、事前に振り付けに関するみすみんサンからのレクチュアがありました。恐らくですが会場は総立ちで踊っていたことでしょう。私もぎごちないながら振り付けを真似ていました。私なりに会場との一体感、画面の向こう側にいるみすみんサンとの一体感を味わうため最大限の努力をした次第です。実際に、結構楽しかったから私もよくよくの人間ですね。
(メタバースのMを全身で表現するみすみんサン)

5.『選挙に行こう』

 これはある意味、日本の音楽史上最もメッセージ色の強い歌だと思うんですよね。「選挙の楽しさ、スピーチの大切さ」を明るくポップなメロディに乗せてみすみんサンが歌い上げる名曲です。これに関してはyoutubeに公式MVがあるので、聴いたことがない方は、実際にどんな曲なのか聴いてみてください。そしてみんなも命の一票を届けに行きましょう。期日前投票というシステムもあることですしね。
(投票を呼び掛けるみすみんサン)

6.『おわり』

 これもyoutubeにて聴くことができます。確か最初にTwitterで紹介されたころに聞いたのですが、これまたノリのいいメロディに乗せて「どれだけ泣いても笑っても、終わりが来るよ」という重たいテーマを歌った楽曲です。
 生きとし生けるもの全てが避けることのできない終末を、あるがままに受け入れよう……そんな穏やかな気持ちになれます。いや、それでいいのかどうか、あえて断言はしませんが。ともかく歌詞の割に不思議な明るさがある一曲でした。

(ただし歌の後で「蘭茶みすみは終わりません」と宣言していたので誤解なきよう)

7.『ここできみに会えた』

 5周年アルバムにも収録されています。私の大好きな楽曲です。
 「皆さんに会えたことがとても嬉しくて作りました…喜びを一緒に感じてもらえたら」
 そんなみすみんサン自身の曲紹介のあとに始まった楽曲は、5周年アルバムとは少し楽曲のアレンジが異なっていましたが、相変わらず良い曲でした。楽しいお祭りが終わって、ひとりぼっちで家に帰る時の、ちょっと寂しい雰囲気をイメージします(個人の感想です)。


8.『でこぼこピース』

 新曲です。これもかってに私が書いているので表記ゆれがあるかもしれません。
 キラキラしたイントロから始まる歌詞の内容は、そうですね、非常にメッセージ色が強いというか……すごく今の時代を表現しているような印象でした。
 人間それぞれ個体差があって、ある一定の基準によって「区別(とある国会議員によれば差別ではない)」されているわけですが、どうしても当てはまらない人がいます。
 それによって生きづらさを感じている人がいるけれど、夜空の星のように手を取り合い声を合わせれば、きっとわかりあえるはず――そんな思いが込められたように受け止めました。スミマセンこれも完全な主観です。私も発達がでこぼこなので……。


9.『CRIPTO・I』

 これは5周年アルバムには収録されていましたが、youtubeとかでは、配信されていないのかな。作詞はみすみんサンですが、作曲はKapruitサンということで、個性と個性が合わさって心躍る曲です。曲そのものも結構スピード感がありますしね。かなり好きな歌です。
どんな曲という私なりの解説はすでに書いたので詳細は割愛しますが、みすみんサン自身が語ったところによると「私の人生、経験をもとにしている」とのことです。確かにそんな気がしていましたが、改めてみすみんサン自身がそんな風に言ってくれたので、「そうかな!」と確信しました。

10.『スマイル戦士』

 新曲です。
 実はこれ、仮歌の時点で聴かせていただいたことがあります。たまたま生放送の時に視聴させていただいたのですが、そこで聴いた時に「ものすごく気持ちが強くなる歌だな!」と大変気に入っていたので、今回のライブで披露されて嬉しかったです。
 これはもう、そうですね、プリキュアみたいなイメージですね。笑顔を守るために戦うっていうと、やっぱりプリキュアでしょう。
 あと個人的に、「青い空は青いままで」っていうフレーズが大好きで。私も時々自分の発信をするときに引用するんですけど……あくなき平和への希求が込められているように受けとめました。G7広島サミットで、各国首脳が献花をささげた時の映像を思い出します。青い空は青いままで、未来に伝えなければ……。
(スマイルを守るため戦うみすみんサン)

11.『カラフル☆メタバース』

 最後は、今やみすみんサンの代名詞、代表曲と言ってもいいくらいの位置づけにある『カラフル☆メタバース』です。もちろんメディフェスの時にも披露されました。
 「皆に自分らしい色、素敵な輝きがある」そんなみすみんサンからのメッセージを歌にのせて披露してくれました。歌そのものは何回も聴いているのですが、今回はライブですからね。10点トラッキングでキレッキレのダンスパフォーマンスも併せて披露されたので、これはもう、盛り上がること間違いなしです。私も周辺住民に配慮して声出しはしませんでしたが、精一杯応援しました。 (メタバース!)

 かくして全11曲、アルバム1枚分くらいの大ボリュームで、ライブパフォーマンスは幕を閉じました。そしてこの後は、会場にいる皆さんとの交流会が始まりました。

トークパート(交流会)
〜おしえて☆みすみん!〜

 会場にいる観客が直接みすみんサンに質問をするという貴重な機会だったわけですが、それを聞いている私の方もなかなか楽しかったです。

 というのも、当然ですが、それぞれみすみんサンを知ったきっかけは違うんですよね。VRChatでお話をして知った方、2018年の「蘭茶三角」時代を知っている方、Twitterで今回のライブを知って来た方……様々です。
 そしてタイミングが異なれば、当時の空気感も含めて「第一印象」というものも異なるわけで、質問の内容も、

 「当時と違って今はアイドルみたいな活動をしていてビックリした」
 「活動が丸くなったのはパートナーが優しいから?」

 ……というように、自然とその第一印象に基づいた内容になってくるんですよね。




 そんな我らの認識の差異をビジュアル的に補完するべくみすみんサンが案内してくれたのが、VRChat内にある蘭茶みすみミュージアム『三角展』です。ここでは活動初期から現在に至るまでの活躍の軌跡を紹介するためにみすみんサン自ら手作りした場所です。私を含め未だVRChatをやっていない人類でも雰囲気を味わうことができました。

 ここからは、私が交流会の模様をメモした内容に基づいて、みすみんサンが語った内容を簡単にまとめてみたいと思います。みすみんサンの活動の基本理念についても、こんな拙文ではありますが、少しでも伝われば。

バーチャルアイドルとしての目標は?

 肉体廃止というテーマ(目標)をどのようにして実現するか。思想を体現するような存在になりたい。
肉体廃止という思想は、自分の性別違和、発達障がいの苦しみから生じている。肉体がなければこんなことには! という考えからスタートしたもの。当初はまったく架空のキャラクターとして思想を呼びかけていたが、現在は実在するひとりの人間として肉体廃止の思想を広めようとしている。

どんなきっかけで、活動を始めたのか?

 初めてVRをやってみたのは2019年。「私が私でありたい」「一番私らしい私を実現したい」というのが、現在のVRによる活動に至った理由。
 ただし、2014年頃からインターネット上で「在りたい私」として生きることを考えていた。当初は女性らしい声でツイキャスをやっていたが、2016年にLive2Dで、「自分の女性らしい声とアバターを組み合わせれば女性として生きていける」と考えたので、同メディアによる表現活動を開始。 2017年にはVtuberになろうとしたが、当時はまだ顔を動かす方法がわからなかったので、実際にVtuberデビューしたのは2018年のこと。それ以来、活動休止期間を経て現在に至る。

初期の頃と比べると丸くなったような印象だが?

 活動休止を経て完全に生まれ変わった。元々アイドルっぽいこと(自分で歌を作ったり踊ったり)をしたかったが当時はそういう技術がなかった。今はそういう技術もあるし、またどうやって一般的に受け入れられるかということも踏まえつつ、本当に自分がやってみたかったことをやっている。
 (結果的に私も含めた多くの人に受け入れられているので、良い方向転換だと思います。)

その他

・実際にステージ衣装を着てVRをやっている写真を見たが、今もそうなのか?⇒今は動きやすい格好でパフォーマンスをしている。
・よく水を飲むシーンがあるが、あれはよほど大きなペットボトルなのか?⇒女性らしい声を出す時は多く水を飲むので、大型のポリタンクをそばに置いている。
・肉体廃止の象徴としての「蘭茶みすみ」をテーマに二次創作をしたい⇒基本的に二次創作はフリーだが「完成したら教えてほしい(喜ぶから)」とのこと。

 という内容で交流会も終了、仙台からリモートで見ていた私の配信リポートはここまでです。ライブに関する内容はここまでで書ききったので、「戻る」ボタンを押すなりタブを閉じるなりしていただいても結構です。お読みいただき、ありがとうございました。

    *    *

 ……ここからは私自身の振り返り、より深い感想を書きます。主観を節約して記事を書いてきましたが、ここからはバーリトゥードで書きます。あまり一般向けじゃないです。ご了承ください。

「言葉を大切にするひと・蘭茶みすみ」
〜メディフェスからめためたライブまで〜

これは冒頭、「メタバースについて」の解説をしている時の場面だったのですが、「おや!」と思うところがありました。
時を戻そう。
(回想:2023年3月19日メディアテークせんだいにて)

こういう組み合わせで記事を書くのは世界で私一人だけだと思うので書きますが、私はこのメディフェスせんだいというイベントでみすみんサンのことを知りました。詳細はこちらの記事をご覧いただきたいのですが、「元新聞記者のメタバースアイドルでVtuber」というのが、私のみすみんサンの第一印象です。

 これが私にとっては、大きかったですね。メディフェスの時は何から何まで初めて尽くしで、「メタバースって、そういうものか」程度の認識をするのがやっとだったのですが、それでも実在の人物としてファーストコンタクトを果たすことができたのは、良かったと思います。
 その後Twitterでコメントを寄せまくり、引用リツイートで引きまくり、Youtubeの生配信の時はリアルタイムに会話をさせていただき、5周年記念アルバムについての感想記事に公認を頂くなど……私のあっつくて押しつけがましいアプローチを温かく受け止めていただいておりますが、それを通じて私も変わりました。
 ちゃんと私も、自分の気持ちをきちんと声に出して生きることができるようになったんです。発達障がいとか、自閉スペクトラム症とか、今まで隠していたこともオープンにして、その上で「在りたい私」と「なりたい自分」を目指し、歩いて行けるようになったんです。
 そういう経緯で現在に至るので、私にとってのみすみんサンは「心からの言葉を語るひと」であり、「言葉を大切にするひと」というイメージです。Twitter上で鋭く語る言葉も、楽曲に乗せて歌う言葉も、すごく心を込めているという印象。だから私も心が震えるんです。私もドンドン自分を出していきたい! と思ったのです。

 そんな大好きなみすみんサンが歌って踊って語りまくった「めためたライブ」を振り返ってきましたが、改めて総括します。

 ライブパートについては、全11曲、5周年記念アルバムで聞き馴染んでいた楽曲あり新曲あり、いずれも素敵な曲ばかりでした。さらに言えば、大量の写真で振り返ってきたように、ダンスパフォーマンスを観られたのが大きいですね。全身で世界観を表現しメッセージを発信するみすみんサンは、とっても素敵でした。

 交流会の方も、色んなファンの方の第一印象を共有することができて、とても興味深かったです。私の中では先述したようにメディフェスのみすみんサン、『カラフル☆メタバース』のみすみんサンなので、「ストラテ・ランチャ!」時代のみすみんサンを一歩踏み込んだ形で知ることができて良かったです。
 確かに情報として検索すればいくらでも出てきますけど、それをみすみんサン自身が語ってくれたっていうのが重要なんです。踏み込んだ形というのは、そういうことです。
 この点についても、私も以前とは変わったなと思いました。すなわち、ファンひとりひとりが持っている違った「みすみん像」を、それもいいねと共感できるようになった、ということです。
 たぶん昔の私だったら、こうはいかなかったと思います。もちろん他の人たちを否定するようなことはしませんが、「私の好きなみすみんサンは違うから……」と言って見ないふりをしていたと思うんです。
 でもホラ、みすみんサンは「みんなのお砂糖」ですから。私はその、観念的な意味でのお砂糖という意味があんまり解っていないのですけど、同じアイドルを好きになったのなら、同じ感覚を持っていると考えるのが自然ですよね。

 最近、海外のトランスジェンダーコミュニティに参加しスタッフに加わるなど、いよいよ本当に世界レベルの活動を始めたみすみんサン。これからは日本だけじゃなく海外にもMisumi's fun が増えることでしょう。One community !



 いっぱい語りましたが、最後にどうしても伝えたいことを書きます。重複するところもありますが、ご了承ください。

 ……3月19日のメディフェスで本名を名乗ったことを切っ掛けに、「佐藤非常口」という名前で発信をするようになったのですが、少しずつ自分の考えを上手に伝えられるようになってきた気がします。それ以前は、大好きを伝えたい一心だけで書き散らしていたので、分量はあるけど少々わかりづらい(伝わらない)文章になりがちでした。
 でも、たくさん言葉を読み、自分でも言葉を発することで、それが改善されてきた気がします。あと、他の人と喜びや楽しみを共有できるようになったというか……他の人の感想を読んで「そうかな!」と言って「いいね」を押せるようになったようです。少しだけ……ね。
 熱さは私の持ち味だから無くそうったって無くならないと思いますが、伝えるための技術は必要ですよね。私も私なりに、皆さんに受け入れられるような文章を書くために、今後も努力します。
 そのうえで、非常に個人的な感情ではあるんですが、あえて言います。

 「きっと、みすみんサンなら大丈夫」っていう確信があるんですよね。
 たくさん伝えたい、わかってもらいたい。
 たくさん教えてもらいたい、わかりたい。
 これだけあっつくて重たくってそのまま沈没してしまいそうな私の言葉も、みすみんサンなら拾い上げてくれるはず、受けとめてくれるはず――という確信ですね……ま、これはファンのかってな思い込みとして、笑って許していただければ……。
 それでも、私はそう信じて書きました。それは紛れもない事実、偽らざる気持ちです。

 『蘭茶みすみ』というひとが実在することは、私にとっては何よりの生き甲斐です。

 以上でこの記事を締めくくります。最後までお読みいただき、本当にありがとうございました。心から感謝いたします。
 めためたライブ、サイコーに楽しかったです! メタバース!

2023年7月7日 佐藤非常口@仙台



蘭茶みすみサンのホームページ


追記:
 記事の中で何度も「5周年記念アルバム」について触れていますが、改めて書きます。
 2023年4月にVtuber活動5周年を記念し、これまでのオリジナル曲をまとめたアルバム「CRYPTO・I/クリプト・アイ」について記事を書いたことがありました。あくまで私の解釈、私の主観に基づいた記事ではありますが、それでもみすみんサンから公認をもらっているので、私も堂々と公開しているところです。
 ライブを視聴するくらいの方なら、すでにご存じというか購入済みかもしれませんが、私の記事で存在を知った人がいるかもしれないので、改めて紹介します。なお画像をクリックすると直接購入サイト(booth)にジャンプします。「CRYPTO・I」は今のところこのアルバムでしか聴くことができないので、未購入の方はマストバイです。ええ、もう大好きですからガンガン推します。

かってに応援企画!
蘭茶みすみ5周年ミニアルバム
「CRYPTO・I/クリプト・アイ」を聴いてみた!




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