#2 2年越しの恩返し―マツダ・ディーラー訪問記―(後編)
――純正燃料添加剤『デポジットクリーナー』についてのこと


 以前にも添加剤についての記事を書いたことはありますが、実はあれ以来、添加剤は使っていません。
 
 正直なところ「入れても入れなくてもいいか」という思想に落ち着いたからです。入れれば、きっとプラスになるとは思うけれど、安いやつだと「効果がない!」って言う人たちを論破できるほどのメリットを実感したり説明することができない気がするし、劇的に効果がありそうなやつ(マイクロロンなど)は結構高いし。だから添加剤については肯定的なスタンスだけど、自分ではやらない。そんなところです。
 
 そんなわけで粛々とオイル交換だけを繰り返してきた私ですが、興味深いサイトを見つけました。エンジンオイルのなんかアレというwikiなんですが、割合ニュートラルな立ち位置からオイルや添加剤に関する記事が書かれているんですね。
 
 しょせんは耳学問レベルですが、大いに参考になりました。そして驚いたことには、なんかメーカーが推奨している添加剤もあるんですね。これはよく否定的なスタンスの人が言っている「そんなにいいものだったらメーカーが使っている」という言葉に対する、強力な反証になるのではないでしょうか。「こんなにいいものだからメーカーも推奨している」と。
 
 これはマツダではなくトヨタのサイトですが、添加剤の世界では猛烈な勢いで糾弾されることが多いテフロン系添加剤まで推奨商品になっています。まあ、それでも否定するのならそれ以上は何も言いませんけど、これは結構大きいと思いますよ。
 
 で、我がマツダにはそういうオフィシャルな何かはないのか? と思って、とりあえず公式サイトの『メンテナンス部品』のカテゴリをつらつらと眺めてみました。そして見つけたのが燃料添加剤『デポジットクリーナー』でした。
 
 【MAZDA】デポジットクリーナー|メンテナンス部品
 
 オイル添加剤はともかくガソリン添加剤については、誰かが言っていた「何十リットルも入る燃料タンクに、たかだか数百ミリリットル混ぜただけで効果が現れるはずがない」という思想を採用しているのですが(以前使った『バイタルクリア』はオイル添加剤のオマケでついてきたから使った)、やはり純正部品としてラインナップされているのを見ると、気になってしまいます。マツダがマツダ車のために作った添加剤だから、間違いはないだろう、と。
 
 それにくわえて、「生産終了してから10年以上が経過した古くさい車だけれど、2014年のマツダと何かしらの『つながり』が欲しい」という切実な思いもありました。でもエンジンオイルはいつもカストロールの黒いヤツをイエローハットで入れてるし、バッテリーはピットワークだし、ATFは交換しなくていいって言われたし・・・・と思っていたところにコレですよ。
 
 今こそ、2年前に果たせなかったことを。――そう思って、修理交換&車検から戻ってきたファミ子を連れて、再び東北マツダ都南店様に伺ったのでした。
 
 
 これがアテンザとかアクセラとかなら、もっと堂々と乗り込めたと思うんですが、20世紀の車ですからね。若干の負い目を感じながら敷地内に入ると・・・・あ、あれ? いつのまにか店内から出てきた女性社員の方が、バックで入ろうとする私のことを誘導してくれるじゃないですか!
 
 いやいや、そんなことしてくれなくても!――と恐縮しきりでなんとか車を入れた私。冷やかしとかではなく、明確な用件があって来たんですよということを訴えるために、公式ホームページを印刷した紙を手にして車を降り、その社員の方に「これ、ありますか?」と先制攻撃(?)。ハイありますよという言葉を受けて、店内になだれ込みました。
 
 東北マツダ都南店様は、大まかに2つのエリアに分かれています。すなわち新車のショールームとその他サービス受付のフロアです。その2つのエリアは特に仕切りとかはされていないのですが、私が入ったサービス受付のフロアはたくさんの椅子とテーブルが並べられており、そのひとつでは別な社員さんとお客さんがタブレット端末を挟んで商談中のようでした。
 
 いくつかある椅子のひとつに座って待つよう指示された私。ソワソワキョロキョロと目移りしながら待っていると、さっきとは別な社員(男性)が来て、用件を確認してくれました。
 
 本製品は一応「ガソリン満タン状態で1本入れる」ものなんですが、その時の私のファミ子には半分くらいしかガソリンが入っていなかったんですよね。そのためボトルを持ち帰って満タンにしてから入れようと思っていたのですが、「後で満タンにしてもらえれば」いきなり入れても大丈夫ですよ、ということだったので、全部お任せすることに。
 
 これは、なんかすごく嬉しかったですね。ただ添加剤を一本入れるだけですけど、素性のわからない私の愛車にも、ついにマツダのディーラーの手が入るんだ! ということ。ちゃんと認められたような感じがして、なんだかわかりませんが、とにかく嬉しかったです。
 
 そんなわけで作業が終わるまで同じテーブルで待っていることにしたのですが・・・・コーヒーを出してもらえたんですよね(正確にはフリードリンクとして何種類かある中で、コーヒーを選択した)。車のディーラーからしてみれば、ごく当たり前のサービスなのかもしれませんが、私にとっては身に余る光栄というか、「どうかお構いなく」と言いたくなるようなくらい恐縮してしまいました。その割にしっかり飲み干してきたんですが。
 
 
 いつ作業終了の宣告が下されるのかわからずにドキドキしながら、店内にある添加剤コーナーを眺めていた私。新車のショールームも見てみたい気がしましたが、間違って「その気がある」と思われては一大事なので、そちらには近づかないようにしました。
 
 写真を撮ってきたとか詳細なメモをして来たとかではないので、正確でないかもしれませんが、とりあえず思いついたものを書きます。まずは「ROYAL ARROW トリプルクリーン」というのがありました。それから、WAKO'Sこと和光ケミカルの製品がいくつかありました。
 
 それから、添加剤のひとつとして「MT-10スーペリア」というものがありました(メーカー公式サイト)。これは「金属の表面に役割の異なる複数の保護被膜を形成する事により、広範囲な潤滑領域において摩擦、摩耗を低減させ、エンジンを保護する新しいタイプの金属表面改質剤」だそうです(メーカー公式説明から丸ごと引用しただけ)。
 
 これに関しては、その効果のほどをちょっぴりだけ体験しました。別に私の車に入れてみたというわけではなく、ちょっとした体験装置があったので、それをやってみたのです。・・・・具体的にどういう装置かというと、レバーを押し下げてモーターの回転を無理やり止める装置です。添加剤がない方は力をこめれば相応に回転がググググ・・・・と鈍るものの、添加剤がある方はどんなに力を込めてもギュイイーンと高めの回転数を維持する・・・・そういうわけで、実際にすごい効果があるのはわかりました。
 
 まあ私のファミ子は結構くたびれたエンジンだったので、別なものを使用したのですが、まだ新しい車に乗られている方は結構いいかもしれません。
 
 
 さて、そんなこんなでドキドキの時間が過ぎ、先ほど接客してくれた方から作業終了の通知をいただきました。商品代金2730円ナリを支払い・・・・さらに車検証のコピーを取ってもらいました。大したことをしてもらったわけではないのですが、どこの誰がいつ何をしたのかというカルテを作ってもらったようです。改めて、ひとりの正式なマツダ乗りとして認められたような感じです。感無量です。
 
 私の自宅からは結構な距離があるので、定期点検とか何とかでしょっちゅうお世話になることはないかもしれませんが、次にまたデポジットクリーナーを投入する時は、できればここに来たいなと思いました。都南店の皆様、今回はどうもありがとうございました!
 
 
 デポジットクリーナー ¥2730
 2月14日 東北マツダ都南店
 走行距離 102926キロ
 
 
 


 


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