熱い心とまぶしすぎる輝き――
『レガッタ!』『きみはジョッキー』『レーシング少女』を通して私が感じたこと
<おわりに>
   
 
 
 ……というわけで、3本立て続けに書き出しました。
 
 まったくもって、素晴らしい物語ばかりでした。
 
 コレで何とか、私も名実ともに三十代の大人になれたかな、という気がします。
 
 あの頃、目をそらしていたもの。小学生のころから運動が苦手で、「自分は何もできないから」と何事にも前置きして色々なものから逃げ回っていた十代の頃。ここ数年でそういったコンプレックスを払拭するべく、自分なりに頑張りました。
 
 それで、その総仕上げとして、これらの純粋熱血スポーツ小説を立て続けに読みました。結果的には、予想以上にテンションが上がって大変なことになりましたが、何とか自分の目指すところにたどり着けました。自分の感情の高まりを信じ、最後まで踏み切る信念を持つ――そういう人間になれたような気がします。
 
 熱くて上等ですよ。頑張ってもダメなら、それはそれでいいんです。そういう気持ちで何事にも一所懸命に取り組んでいれば、いつも前に進めるから。
 
 
   今まで、何かを頑張らなくちゃいけない時は、いつも『トップをねらえ!』のことを思い出していました。物語のテーマは『努力と根性』。ともすれば昭和スポ根的な発想ですが、それを美少女キャラでコーティングし、やたら理屈っぽい味付けをしたことで、私のようなひねくれ根性のコゾーにも受け入れられました。そして、このアニメの主人公であるタカヤノリコを目標とし、このアニメにハマっていた14歳の頃を「人生で一番熱かった時代」として生きてきました。
 
 でも、今は違います。今は飯塚有里であり、新川奈津と山辺啓であり、阿部悠真とそのライバル・友人たちです。もうパロディやモエモエ美少女がてんこ盛りのアニメに頼らなくてもいいんです。それよりも、もっと熱くてケレンミのない世界を知ったから。そういう世界で十分にやっていけるだけの気持ちを組み立てることができたから。
 
 
 ……と、まあ、こんな感じで何とかまとめようとしましたが、やっぱりうまくいきません。やはりこの感情は、うまく説明しようとすると、感動が薄れてしまう気がするんです。ただ、少しでも記事にしないと、それはそれで感動が消えてしまう気がするので、今回書きました。後で見返したとき、また加筆訂正するかもしれませんが、とりあえず今はこれで全部です。


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