本気になったMs.FAMIKO
――最高速記録とその後の日常について 2014年10月31日


先日書いたコラムで、現在の厳しい台所事情をかなりさらけ出してしまった感がある当サイト。相当恥ずかしい感じがするので、今回はもっと「ゆとり」のある記事を書きたいと思います。

そう、ハードで殺伐とした日々をつかの間癒してくれる「ゆとり」を与えてくれるのが車なんです。特にファミ子は私が初めて手に入れた白ナンバーの車。パワーも室内空間もそれまでの車よりずっと余裕がありますから(これよりも余裕のある車が山ほどあるのは当然として)、もっと余裕を持って、もっと丁寧に乗ろう――そんなことを思った次第です。

そんなことを思いながら休日に実家に帰省していた私。帰省と言っても現在おもに寝起きしている寮からは距離的には50キロ程度のものです。時間的・ガソリン代的な便宜から職場に近い(車で10分程度)寮に入っているのですが、基本的には休みのたびに実家に帰っているので、本拠地と前線基地のような感覚です。

ところが、そんな休日をエンジョイしていた私のもとに、会社から一本の電話が。詳細は割愛しますが、とにかく大至急、その50キロの距離を乗り越えて会社に行かなければいけないハメになったのでした。

そういう状況なので舘ひろしサンばりに「高速を使え」と自分自身に命じて(?)普段は使わない高速道路を爆走しました。


基本的に私の運転スタイルは「人にやさしく燃費良く」。ここで言う人というのは運転者たる私自身であり同乗者です。そして燃費の良い走りと言えば、急のつく操作をしないとか、定速走行を心がけるとか……というのをまとめたのがコレなんですが、高速を走る時もそのスタイルに変わりはありません。普段であればキープレフトでだいたい110キロくらいの巡航速度なんですが、この日はそんなことも言っていられません。ベタ踏みとまでは言いませんが、割と積極的に追い越しをかけます。

そしてこの日は「トップ引き」をしてくれる人がいたので、その人についていきました。それはバン型の営業車でした。

体験的に、この手の車というのは一般道でも高速道でもやたらとスピードを出すもの。普段であれば極力関わり合いになるのを避けて法定速度でゆっくりゴーなんですが、今日はまるでレースゲームのライバル車か何かのように追いかけました。

こういう時は、やはり先導してくれる車があると楽なんですよね。自分が先頭だと色々なことを考えてしまって、ここまで大胆にアクセルを踏み込むことができませんから。

元々巡航レベルで110〜120キロ程度のスピードが出ていたのですが、この営業車は更にスピードを上げてグングンと追い越しをかけていきます。私もまた、まるで引き離されまいとするように加速。タコメーターは最もトルクのふくらむ3000回転台をキープし続け、スピードメーターの方は130キロ、そして140キロ台に突入しました。

この速度域になると、さすがのファミ子と言えどハンドル越しに結構、振動が伝わってきます。ロードノイズも車内に飛び込んでくるし、「無理をさせたくないな」という気持ちが湧いてきます。もういいじゃないか、ちょっと遅くなったとしても、これ以上ファミ子に負担をかけちゃダメだ――そう言ってアクセルを緩めようか、という気持ちも出始めます。

それでも、私は走り続けました。一分でも一秒でも早くたどり着くこと――それが自分のやってしまったミスを償うことだと思ったからです。あるいは、それを言い訳にして、もうひとつの興味――

「果たしてファミ子は、どこまでスピードを出せるのか」

そんな愚かな思いを正当化しようとしていたのかもしれませんが。


…………


メーター読みで160キロ。それが私の限界でした。

もっと踏み込めば日本の車の限界速度である180キロまで出せたかもしれませんが、さすがにそこまで踏み込むことはできませんでした。それよりも前に自分が降りるべきインターについたから、というのもありますが、すでに法定速度を大幅にオーバーしている後ろめたさ、そしてコレ以上の無理をさせるのはファミ子がかわいそうだ――という気持ちが勝ったのです。

ちなみにこの時点でタコメーターは4000回転に届いていませんでした。レブリミットは6000回転よりも更に先にあるので、まだ余裕があったのかもしれませんが、まあ……いいです。


これは自慢ではなく懺悔です。どういった理由があったにせよ、法定速度を大幅に超過したことは重大な交通違反ですし、それだけの無理を強いてしまったことは、ファミ子に対しても申し訳ないと思っています。今後は交通法規を順守し、「人にやさしく燃費良く」のスタイルを貫きたいと思っています。


……と、しおらしく終わらないのがこのコラム。現在この記事を書いているのは、そんな最高速チャレンジをした日の翌日に書いているのですが、ファミ子の走りはすこぶる快調です。一般道でもあっという間に60〜70キロの速度域まで行ってしまうので、そろそろとアクセルを戻して法定速度を守る……そんな感じで走っています。

もしかすると、アタリがついたというやつでしょうか。一度本気になったファミ子が「アタシはもっと走れるのよ、もっと踏み込みなさい」とシェリル・ノームの声で言っているのでしょうか。って、今この記事を書きながらマクロスフロンティアのCDを聞いているので、シェリルの声になってしまっているだけなんですが。

こうなると、中身だけでなく外見もちゃんとしなければいけませんね。傷だらけの外装、一部へこんだ側面、ちょっとギザギザでボロボロになったホイールハウス、そして外れかかっているフロントバンパー。外見的にはあちこちガタガタになっているのですが、そういった部分をいくらお金がかかってもパリッとさせたいものです。……といっても、たとえばアテンザやアクセラなど新世代のマツダ車が買えそうなくらい修理費がかかるとすれば、ちょっと考えますが……。



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