PROJECT NEKOTORA



海へ - sea you -
Nov.17.2019 - Fukaura, Aomori

Part 2 「マグロは大間だけじゃない! 深浦のおいしいものレポート」


 さて前回の記事で書いた通り、深浦町というのは青森の西海岸に面した街です。西海岸ということは日本海です。常に風がビュービュー吹いていて、波が激しく打ち付けるような荒々しさMAXの場所です。そんな場所ではぐくまれた恵みの数々を日々の糧として味わってきました。そのあたりの話をします。
 
 まずは海岸線をず〜っと下っていくと見えてくる『道の駅ふかうら』。サブタイトルは「かそせいかやき村」です。


公式ホームページ(FLASHを使用しています)

「かそせ」は「風合瀬」と書きます。地名ですね。風が合う瀬と書いて「かそせ」です。素敵な名前じゃないですか。そんな海沿いの場所に立つ「道の駅ふかうら・かそせいかやき村」ですが……その名の通り、イカ焼きが名物です。もう駐車場に降り立った瞬間、イカのにおいが香ります。イカといえば少し北にある鰺ヶ沢もそうですし、函館もそうですし、沼津なんかも駿河湾産のイカでおもてなし? なんていうことも聞いたことがありますが、とにかくここでもイカ焼きです。

 あとは地元の人たちの手作り弁当や惣菜、そしてその日水揚げされたばかりの鮮魚が積み上げられています。私のお目当てであった真鯛もありました。サイズ的なこともありますが、その金額たるや一尾250円! この金額でタイの尾頭付きが食べられるんですよ奥さん! まあ鱗を取ったり内臓を取り出したりするのは自分でやるか、できる人をどこかで捕まえるかしなければいけないんですけどね。


 さて、そんな道の駅を後にして、深浦町役場まで来ると、ふと目に入った「深浦マグロステーキ丼」という文言。なるほどマグロといえばたいてい刺身でいただく感じですが、あえてステーキで食べてみるのも一興かな……と思い、日曜日なので静かな町役場内の食堂で昼食ということにしました。

 
 
 ……あ、さて〜……と、小林完吾アナの物まねをしながら解説をするとしましょう。いや私の想像とだいぶん違ったものですからね。テーブルには大きな解説書があり、それを見ながら食べればいい話なのですが、それを要約するとこんな感じになります。
 
 一つ目は刺身とお醤油で、とろろどんぶりごはんと一緒に!
 二つ目は片面焼きにして辛味噌ソースで錦糸卵どんぶりごはんと一緒に!
 三つめは両面焼きにしてオリジナルソースで鰹節どんぶりごはんと一緒に!
 それらと並行して季節の野菜、「つるつるわかめ」の汁物を一緒に!
 最後に? カクテルグラスに入ったオリジナルデザートを!
 
 この中で「オリジナル」と書いてあるところ以外は、この「深浦マグロステーキ丼」というフォーマットがあるので、どのお店に行っても同じものが食べられます。金額も一緒ですから安心です。こちらのお店では地元の名物野菜「ふかうら雪人参」を使った冷製デザートが出ました。と〜っても甘くて、思わず缶入りの人参ジュースも買ってしまいました。
 
 で、ここからが本題なのですが……実は青森県で一番マグロの水揚げ量が多いのは、この深浦町なんです。マグロといえば大間が有名なんですが、そうじゃないんです。「マグロは大間だけじゃない!」のです。そしてそれゆえに、大間では何千円もするような本マグロが、この深浦では1500円で食べられるんです。量的にも120gと大満足です。
 
 
 
 一切れ食べるごとに「うますぎる!」とネイキッドスネーク(CV.大塚明夫)の物まねで声をあげそうになる深浦マグロステーキ丼……どうですか、食べたくなるでしょう? 生ものが食べられない方は自分の好みの焼き加減で召し上がれますし、これは自信を持ってお勧めできます。最高です。
 
 
 
 なお、こちらは期間限定(4月〜11月まで)のソフトクリームです。この上からチョコレートソースをかけるように醤油のジュレをかけて食べます。……嘘です。実際には食べなかったので、どういう味なのかは来春まで確かめることができませんが……ともかく、こういうのもあります。温かくなったら、行ってみたいと思います。
 
 
 
 さて、こちらは先ほどの町役場からさらにずっと下ったところにある、JR五能線の「十二湖駅」にある青池ソフトクリームです。ヨーグルト風味のさわやかな味わいです。白神山地と夕日海岸の間で自然の恵みを味わいながらいただきました。なお今この記事を書きながら調べていて知ったのですが、ここ国道101号線は「ソフトクリーム街道」の異名を持ち、何種類も色々なフレーバーのオリジナルソフトクリームがあるのだそうです。私も実はソフトクリームが大好きなので、次に行ったらまた違ったフレーバーを食べてみたいと思います。
 
 
 おまけ:「秋田県八峰町のお殿水」
 
 
 
 こちらは青森県深浦町のおとなり、秋田県は八峰町(はちもりちょう)に入ってすぐのところにある「道の駅はちもり」です。ここの異名である「お殿水」というのは、今をさかのぼること何百年……弘前藩二代藩主「津軽信枚(つがる・のぶひら)」公がここで休憩した際にこの湧き水でのどを潤し、満面の笑みで「甘露、甘露」と絶賛したことに由来します。いや別に私がタイムマシンで現場に行って見てきたわけじゃないんですが、たぶんそうだったんじゃないかなと思うんです。
 
 カンロ、カンロってカタカナで書かれると、のど飴か何かだと思ってしまいましたが、「甘露」ですね。私は駕籠ではなく、ましてや徒歩でもなく、インプレッサに乗って平均時速60キロで走ってきたのですが、そんな私でも「おいしい!」と思えるような水でした。本来であればそんな水を飲んで気持ちがリラックスしたところで顔出し写真の一枚も撮りたいところですが、あいにくとソロ旅ですのでね。心の中で殿さまのコスプレをして、当時の情景を空想しながら私も「いやはやこれはカンロ、カンロじゃわい」とうそぶき、その滑稽さに笑ってしまったのでした。
 





Indexに戻る