PROJECT NEKOTORA


新・東西南北方見聞録 ――言葉より、語るもの――


サッポロ0泊2日スペシャルツアーの思い出


 これまではとにかくテキスト99パーセントの濃度で情報を伝えようとしていた旅行の思い出日記「東西南北方見聞録」ですが、そのせいか、ここ数年なかなか 書くことができませんでした。生まれた時から30年以上ず〜っと過ごしてきた岩手県を飛び出し、八戸市青森市弘前市さらに海を越えて函館市そしてそして国を飛び越えて 中華人民共和国へ行き嫁さんをもらってくるなど、書くことはいっぱいあるはずなんですが、やはり日々のことに忙殺され、以前ほど時間を多く取れなくなりましたからね。

 とか何とかと言い訳をしながら過ごしていたのですが、ペンタックスSPを購入して写真の楽しさに目覚め、さらにフィルムスキャナを購入することでレガシー的な過去の写真を 次々とデジタル化。ホームページ開設17年目にして、ようやく「画像をメインにしたwebサイトを作ってみよう」と思った次第です。相変わらずテキストの分量は爆盛りメガ盛り ではありますが、そこに全乗せスペシャルトッピングラーメンよろしく画像もどんどん張り付けていきますので、ひとつよろしくお願いします。

 さて今回は2016年5月に行った札幌旅行の話。旅行と言っても観光がメインではなく、現在の私の嫁と結婚するために必要な書類の手続きをしたくて、札幌にある中国総領事館 に行ってきたんですね。その用事を済ませて、帰りのバスまで時間があるから、それならジャック・バウアー並みの緊張感の下ではあれ、少しでも観光地巡りをしてみよう、と。

 この時はまだフィルムカメラ熱は冷え切っていたので、主にスマートフォンによる「乱写」カットばかりではありますが、せっかく画像があるので、そのアルバム作りもかねて 書いていきたいと思います。


 さて、なんだか嫌な目線で私のこと見るポンコツ野郎、おっと失礼pepper君がいた八戸港フェリーターミナルより、豪華フェリー客船「シルバーエイト」号に乗って、まずは 苫小牧へ。


 こちらの船は22時に八戸港を出発し、到着するのは翌朝6時……ですから、8時間くらいかかります。大航海時代です。飛行機だったらジャカルタあたりまで行けます。もうちょっと 時間をプラスすれば、太平洋を飛び越えてシアトルまで行くこともできます。それほどの時間をかけて、たどり着くのは同じ日本国。つくづく飛行機というやつはスゴイ乗り物だと 思います。

 しかしながら、フェリーより早い乗り物がありながら私がフェリーを愛してやまない理由(旅費という部分だけではなく)があります。それは船旅というのは、移動している間も 快適であるということ。船内は売店があり、食堂(自動販売機でチンするものですが)があり、ゲームコーナーがあり。さらにお風呂もこの長距離航路ではシャワーだけでなく 浴槽まであるんですよ。もう完全にホテルですよホテル! 私はすっかり感動してしまいました。

 なお私が乗ったのは言うまでもなく二等室。ではあるものの、一応座席指定というか、ご覧の通り仕切りのある一区画を申し込みの段階で確保することができます。頭の上には鍵のかかるロッカー、地面には簡易な折り畳み式のマットレスもありますし、もちろん枕もあります。そういうわけで、確かに個室ではないものの、慣れれば意外と周りを気にせず休むことができます。やはり長距離航路となれば、心配りも行き届いているのですね。
 
 とか何とか言いながら、この日はビールもそこそこに就寝。25年ぶりくらいにアーケードゲーム『雷電』をプレイすることができたのは良い思い出です。
 

 



 さて苫小牧港についたらフェリーを降り、そこからバスで揺られること2時間弱。ついに北海道の市政の中心・札幌市に到着しました。 ひとまず駅の喫茶店でモーニングを食べ、向かうは中国総領事館。何せ午前中しか窓口の受付業務をやってくれないのでね。最優先事項ですよ、ええ。そう言いつつ駅でモーニングを食べるあたりがアレなんですが。

 ともかく札幌駅前から「啓明ターミナル」行きのバスに飛び乗り、それでもって終点まで。あとはgoogleマップを片手にしばらくうろつき、住宅街の中にひっそりとたたずむ中国総領事館にたどり着きました。



 本当はこうやって写真を撮っていいのかどうかさえよくわからないのですが、ともかく撮影してしまいました。ちなみに入口は厳重に閉鎖されており、中に入るためには入口にいる警備の人に用件を伝え、その人から館内の職員に取り次いでもらい、それでもってやっと入館できる……というものでした。今まであまり考えたことがありませんでしたが、やはり門の中は別な国ですからね。ましてや中国というのは(私は決してそういうことはありませんが)何かと感情的にアレなところをお持ちの方もいるでしょうから、より厳重なセキュリティというのは必然なのでしょう。そして逆に、もしも私が領事館の中で何かあったら……どうなるんだろう。

 ……と、そんな心配をよそに手続きは終了。「ご自由にお持ちください」と書かれていた名前入りボールペンに各種雑誌(全部中国語)を鞄にガサガサと放り込み、再びバスで札幌駅前に。着いた時にはまだ正午前。苫小牧に向かうバスも午後6時出発だし、さあ夢の札幌観光スタートです。気分はもう戦争、じゃなくて気分はもう観光です。



まあ観光of観光というか、極端な話テレビ、そして「龍が如く5」で知っていた場所に自分で訪れて、「ああ、オレもこうして実際に来ることができたんだな」というだけのもの、だったんですけどね。すなわち「場所の確認」であり、それほど感動はなかった……というべきなのかもしれませんが、いやいや、やはり実際にこの地を踏んだこと自体が感動です。特に時計台なんかは「がっかり観光地」と言われますがノットがっかり時計台ですよ(水曜日のカンパネラ風に)。なんというか、私はやはり周りの環境に関係なくその建物の持つ歴史じたいに感動することができるタイプなのでね。来てよかったと、そう思います。

 そんなわけで、「龍が如く5」の冴島さんの気分で狸小路を疾走し、ラーメンを食べ、ドンキホーテに立ち寄り、「なんや」「あかんわ」と、冴島さんの物まねで不慣れな関西言葉を使いつつ、最後にセイコーマートで軽食を買い求めて一路青森への道のりをたどったのでした。



 そういうわけで、旅日記をしめくくります。この旅行の間ずっと聞いていたのはダフトパンクのベストアルバム「ミュージックVol.1」でした。ベストアルバムというのはどちらかというと好きではないのですが、坂本龍一の「グルッポ・ムジカーレII」と、この「ミュージックVol.1」だけは特別に好きになりました。前者は私の思春期時代と、後者はこの札幌旅行の時間とシンクロするからです。

 しかしながら札幌。余りある時間と、ちょっぴりの旅費があれば、極端な話0泊2日でもいけることが分かったのは、非常に大きいと思います。人生をかけた事情があったとはいえ(※)。

 もちろんそれは私の特殊な勤務体系が功を奏したというのもあります。すなわち「朝6時から午後3時まで仕事⇒1日だけ休み⇒翌日は11時出勤」という変則シフトパターン。

 でも、ね。事実として、この地にとどまりこの仕事を続けている限り、今度はもっとピュアに観光というものを意識して、ぶらぶらと歩いてみたいな、と。函館と比べれば、テレビとかでイメージがある分、新しい発見はないかもしれませんが……それでもきっと、東京とかに行くよりは、きっと札幌の方が素敵だと思うんです。私が大好きな冴島さんが歩いた街でもあるし、私が大好きな大泉洋さんの地でもあるし。ええ、私は「1x8いこうよ」を毎週見るくらい、北海道と大泉洋さんが大好きなんです。





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 ※ とある事情で知り合った中国人の嫁と結婚するため、外務省で発行される「婚姻要件具備証明書」に中国総領事の認証をもらわなければいけなかった。そして私が住まう岩手県の人間は、北海道の総領事館に直接行かなければいけなかった、という話です。のちに瀋陽の日本総領事館に行って、結果的に札幌で認証をもらわなくてもよかったのかな……という気もしないでもありませんが、とにかくこうして観光のオマケがついたので、ヨシとしましょう。レッツ・ポジティブシンキン!