SUPERFAMIKO外伝ー80年代の雪の女王ー
――モータースポーツにおけるファミリアの記憶 2014年12月11日



今回は私のファミ子に関する話題ではありません。今から30年ほど前に発売された私のファミ子のご先祖様・BF型についての話をします(初代から数えて6代目にあたる)。

1985年というと、私はまだ4歳でした。この頃すでに車に興味を持っていたというから末恐ろしいガキであったと思いますが、それでもこの型のファミリアが特別に好きだということはありませんでした。一応、その数年後に「プレイドライブ」誌でハンヌ・ミッコラが運転するWRC仕様のファミリアの写真を見て「ほう、日本車も頑張っているんだな」と思ったものの、その頃はマルティニカラーのランチア・デルタが一番! だったので、その後もあまり……って感じでした。

極端な話、自分がファミリア乗りになるまで、あまり興味もなかったんですよね。

じゃあどうしてこんな話題を? というと、マツダの公式ページ内にある「ファミリア物語」を読んで感銘を受け、当時のテレビCMを動画サイトであれこれ検索して眺めてみたところ、このBF型ファミリアのCMがズバ抜けて格好良かったからです。


familia 1985 (1)


familia 1985 (2)

familia 1986




名前の由来となった「家族みんなでドライブを」というイメージを強調した歴代車種のCMと異なり、グッとクールな印象を強めたCMです。それもそのはずで、3ドアハッチバック・1600ccの小柄な車体にターボチャージャーとインタークーラーを押しこんで140馬力を発生させ、それをフルタイム4WDで路面に伝えるという、今で言えばランエボやインプレッサSTiと同じような手法でチューンした代物ですからね。今見ても非常に魅力的なパッケージです。

そして、これをベースに競技専用車として開発したのが「マツダ323・4WD」です(マツダ323は海外向けファミリアの名称)。

Wikipediaに拠る記事で申し訳ないんですが、それによると競技用エンジンは86年型で260馬力を発生させたと言います。ライバルは2リッター+ターボエンジンですから、それと比べるとパワー不足なところは否めませんが、それでも軽量コンパクトな車体とハンドリングの良さで大活躍、第2戦・スウェディッシュラリーでは総合優勝に輝いています。これは1976年のアクロポリスラリー以来の、日本車の総合優勝であると言います。

シリーズを通しての成績を見ても、87年は6位・88年は4位・89年には3位になりました(89年にはスウェディッシュラリーを含む2勝をあげている)。その後もパワー不足に苦しみつつ健闘を続けていたのですが、バブル崩壊に伴う資金難によりワークス活動は終了してしまいますが、トヨタ・スバル・三菱による日本車旋風が吹き荒れるのはご存知の通りです。

そんなわけでパワー不足を基本性能でカバーし「やればできる」という、のちのル・マン総合優勝にも言えるマツダスピリットを世界中に見せつけたファミリア/323についた異名は「雪の女王」! これは北原さんが提唱し私も広めようとしている「車はメスが多いな」論を肯定するものであると安倍総理の憲法解釈並に勝手解釈させて頂きます。そして雪の女王と言えばありの〜ままの〜♪ ではなくファミリア/323であると皆様に訴えたいのであります。


話が大きくズレてしまいましたが、「雪の女王」と呼ばれたのは事実です。今では様々な事情によりマツダスピードは解散、大々的なワークス活動もないので記憶の中の出来事となってしまいましたが……ここらへんでまた、私のファミ子の話に戻ります。

WRCで活躍したファミリアも4WD、私が乗っているファミ子も4WD。そう考えると、私のファミ子もある意味では「雪の女王」の血統を受け継いだモデルなのかな、と言えるのではないでしょうか。

いやもちろん、向こうはWRCを視野に入れたフルタイム4WDで私のは日常生活向けのスタンバイ4WD(普段はFF)、向こうはターボで140馬力なのに対し私のは自然吸気の110馬力、向こうは……と、一言で言えば「全然違うじゃねえか!」というツッコミをいただくところであるとは思いますが、(フィギュアスケート選手の方の)織田信成君が織田信長の末裔を自称しているくらいだから、このくらいは笑って許して? 貰えれば幸いです。





……最後に。雪国在住の犬神から言わせていただくと、狭い路面でコースアウトしている車は、実は4WD車が多いです。4WDでも滑る時は滑るので、くれぐれも積雪路/凍結路はいつもよりも10kmスピードを落として安全運転でいきましょう。

「車は楽しく乗ろうぜ」(byコウちゃん@高橋自動車)




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