その18 ニード・フォー・セーフティ
−モスト・インポータント−


 前回の記事を書いたのが2016年の12月でしたが、そこから1シーズンほどが過ぎましたね。

 今年の冬は例年に比べて少々雪が少ないような気がしました。おかげで車を運転する際も、それほどヒヤヒヤしたことは多くなかった気がします。

 ファミ子の付き合いもなかなか長くなり、ある程度の動きもつかめるようになってきましたからね。性能を過信することは危険ですが、「このくらいのスピードだったらこうなるから、こうしなくちゃいけないな」というのを考え、操作をすることができるようになってきたのかなと。そんな風に思いました。

 そのうえで、私が拠点を置く十和田市(といっても、数年前までは違う町だった、中心街からは車で30分ほど離れた山奥)から青森県の県庁所在地である青森市に向かう際は、真冬の八甲田山を越えるルートを選択しました。これは夜間こそ閉鎖されるものの、日中であれば除雪作業のもと通行可能になっている峠道であり、それほど交通量は多くなく、もちろん信号もなく、何よりも地図上で一直線に突き進める最短ルートなのでね。そこを何度か行き来しました。

 除雪されているとはいえ、地面はガチガチの圧雪状態。オーバースピードでハンドルを切れば、たちまち滑ってしまいます。カーブも少なくありません。無理な運転をすれば、たちまち両サイドの雪壁に熱烈なキスをすることになるでしょう。

 逆にいえば、周囲に民家や歩道などがないので、ある意味安全です。あまり推奨されたことではないと思いますが、私はここで教習所のスキッドレーンよろしく車のグリップの限界速度や、滑り出してしまったらどうやって復帰するかということを試しました。格好良く言えば、ドリフトの練習とでもいうのでしょうか。私の場合は別に速く走るためではなく、あくまでも「不測の事態」に陥るゾーンを限りなく少なくするための練習に過ぎないのですが……いずれにしても、褒められることではありません。

 冬道の安全運転の極意とは、スピードを出さないこと。それにつきます。


 さて、そんな私のドリフターズな運転のせいか、それとも累積走行距離10万マイル以上、前回の車検から1年あまりで3万キロ以上も走ってしまったせいか……私のファミ子にも、あちこち不具合が出てきました。

 1.音響系の不調

 以前、「右側のドアスピーカーから音が出ない」という話をしましたが、その後なぜか音が鳴り始めました。しかし、ラジオの音声とともに耳をつんざくようなノイズがガリガリギリギリと紛れ込み、とても聞けたものではありません。元々液晶画面も欠けて時計表示さえままならない純正カーオーディオでありましたが、ここに来て完全にその役目を終えたと言えましょう。今では液晶ディスプレイの上に後付けのスマートフォンホルダーを貼り付けて、そこにスマートフォンを差し込み、時計アプリを表示させて代用としています。音楽はiPodとポータブルスピーカーがあるし、ラジオはスマートフォンのradikoがあるし。このあたりについては不自由しません。

 2.アイドリングが不安定

 これもまた、以前にもあった症状なんですが……信号待ちとかでDレンジに入れたままブレーキを踏み一時停車していると、いきなり回転数がストール直前まで落ち込むんですね。メーターがゼロの値を指し示す寸前で再び息を吹き返す……そんな感じ。アクセルを踏み込めば、また普通に走り出すので、今一つ理由がよくわからないのですが……これもまた、工場で見てもらわなければいけませんね。ただ確実にそういう症状が出るってわけではなく、「そういう時がある」っていう段階なので、今一つ相談しづらいところではありますが……。

 3.走行中に、何かがこすれるような音がする

 これは「走行中」ということですね。車が走り出すと、シャリシャリシャリ……と金属か何かがこすれる音が聞こえるんです。速度に比例してその音が早くなり、車が停止すると聞こえなくなる。そういうわけで、足回り関係の何かなのかな? というのは私も想像することができました。そうはいっても、素人考えではどうも原因がわからない。どこかにぶつけた記憶もないし、タイヤ交換に伴って何か不具合でもあったのかな? いやいやそれにしても、交換してからもう何か月も経つしな……等々。

 音が耳障りなのを気にしなければ別にいいか! とも思いましたが、やはり気になります。それに、人間だって自覚症状が出ているのに無視していたら病状が進行して大変なことになった……なんていう話はよくありますし、車は機械ですから。部品の故障がひとりでに直るなんてことは絶対あり得ないわけで。そうなれば、早い段階でドクターに診察してもらうのが最良の選択と言えるでしょう。その結果、大したことがないのであれば、それはそれでよろしい。ちょうど、これといった予定がない休日の時間があったので、前回の車検の時にお世話になった井邦自動車板金さんに電話をして、見てもらうことになりました。


 「とりあえず走って見せてください」

 フロントで社長さんに状況を説明し、工場のチーフメカニック(と私は思っている)を助手席に乗せて近所を軽く走り回る私。この実走にこだわるってところが『湾岸ミッドナイト』的でいいですね。

 その後、「まあ多分こういうことでしょうね」と言うチーフメカニックにファミ子を預け、一日かけてバラした後に判明したのは、

 『ブレーキキャリパーの固着』

 ということでした。


ブレーキキャリパーの固着とは?(goo-netの関連記事)

 ……私の激しすぎる運転が原因だったのか、はたまた足回りを含めた洗車を少々サボっていたからなのか。ともかく私のブレーキは、そのままでは決して直らない――そして放っておけば、ブレーキの壊れたダンプカーならぬブレーキの壊れたファミリアになります。ということはスタン・ハンセンではなく邪道さんか。

 なんて、こんな冗談を言っている現時点では、すでに修理を完了しているんですけどね。アッシー交換ではなく、ブレーキキャリパーのオーバーホールとブレーキパッドの交換で済んだので、いくらか安く上がりましたし(それでも数万円単位のお金が出て行った)。


 1ヶ月に1000キロ以上のペースで走りまくる私のファミ子。それなりにアチコチ傷みが出てくるのは仕方がありません。それでも私にはファミ子しかないのですから。まあ、丁寧にケアしながら、乗っていこうと思います。



総合案内へ戻る