デジタル・ビッグ・ウェーブ
ーーETC取り付けとカーナビに関する考察


本当はファミ子による冬道走行の色々を書こうと思っていたのですが、そうこうしているうちに春になってしまいました。月日にすれば5ヶ月ほどが経過してしまいました。

その間に色々ありましたが、今日ちょっと大きな出来事があったので書きます。というのは、久しぶりにETCを取り付けたのです。


当家にはここ数年ずっとほったらかしにしていたETCがありました。これは先代の愛車であるワゴンRの頃に乗っていた頃に近所のガソリンスタンドで購入・取り付けをしたものです。

どうしてガソリンスタンドで? というと、当時はいわゆる「1000円高速」がスタートした年(2009年)で、大手カー用品店などで軒並み売り切れ状態になっていたからだと思います。そんな中で店先に「ETCあります」という看板を見つけて急ぎ購入→取り付けまでしてもらった次第です。確か25000円くらいかかったと思います。

それだけのコストをかけて、どのくらい利用したのか? といえば……まあ年に2〜3回程度のものでしたが……それでも400キロほど離れた栃木県宇都宮市に住まう兄者のもとへ行くために、大いに活用させてもらったのでね。まあ意義はありました。当時の政治的な判断にも感謝しています。

その後、車を乗り換えるときにETCを取り外してもらい、いつか取り付けようと思っていたら3年以上が経過してしまいました。『湾岸ミッドナイト』の北見サンふうに言えば「いつかはあんがいとこないんだよナ」ってやつです。

まあ、そこまで必要に迫られなかったというのもあります。1000円高速制度も終わったしわざわざ頑張って車で遠出をすることもないし……と思って、せっかくのETCも袋詰の上ゴチャゴチャと積み上げていたのですが、先月から私自身の生活が大きく変化。かれこれ三十年以上過ごしてきた岩手県から150キロ以上離れた青森県十和田市に拠点を移し働くことになってしまいました。

いよいよ、高速道路を積極的に利用しなければいけない状況になったのです。

そして今回思い切って、手持ちのETCを取り付けてもらうべくおなじみのイエローハットに行く事になったのです。

正直なところ持ち込みでETCをセットしてくれるのか? 少々不安はありましたが、お店の人に言ったところ、快く引き受けてくれました。ETC本体にくわえて車検証を渡し、待つこと1時間……。

その間、新しい街でファミ子とともに暮らしていくにあたり「カーナビ、あった方がいいかな」と思い、色々とナビコーナーを眺め歩いたのでした。


私にとってナビと言えばHDDナビが最高峰であり、そこから昨日を省いてコストダウンを計ったのがポータブルナビであり、「昔はDVDとかで地図を読み込ませていたんだよねえ」としみじみしてしまう……という程度です。そしてDVDは私が中学生の頃に世の中に登場したので、最初期の市販カーナビはCD-ROMだったようです(注1)。

ところが最近は『メモリーナビ』というものがあるみたいですね。……今この記事を書きながら色々と調べてみたのですが、要するにHDDナビとポータブルナビの中間・いいとこ取り・バランス型というポジションでしょうか。一億総中流と言われた我々日本人が最も好みそうなモデルですね。

私の兄者が取り付けているのがHDDナビ(カロッツェリア。ファミ子の法定諸費用を含めた購入代金より高かった!)なので、やはりどうせつけるなら……という思いがないわけではないのですが……今月は新生活開始キャンペーンに伴いテレビやら冷蔵庫やらスーツやら自動車税やらと大型出費が乱発。どんなに量販店が頑張っても十数万円のナビを取り付けることはできません。夢のまた夢といったところです。

それに、冷静に考えると「別にそこまで……」という気もするんですよね。音楽なら純正オーディオ+iPodがあれば事足りるし、運転しながらテレビを見たいとも思わないし。そういったものをカットしてもいいから、その分コストを落として欲しいーーと思うので、メモリーナビやポータブルナビでもいいのかなと思ったのです。

実際ポータブルナビだと1万円を切るようなものもありました。PSPを使って安価にナビを手に入れようと思ったらGPSレシーバーやら何やらで結局1万円以上コストがかかった私の立場は!? と思わず店内で崩れ落ちそうになりましたが、これも時代の流れということでしょうか。まあナビシステムが1万円で手に入るのは結構なことです。とりあえず新しい街に行った時、コンビニとか目的の施設がどこにあるのか? を瞬時にわかればいいわけですから。

それじゃあ、この機会に犬神もカーナビ専用機を導入するか……というふうに気持ちが傾きだしているのですが、ただ、やっぱりね。以前も引用しましたが、この言葉が頭をよぎるのです。

 ……CPUの高度化はカーナビを安価にし普及化させた
 素晴らしい もう地図が読めない奴でも地図がわかる
 が カーナビを使い続けると 本来地図が読めた奴も
 もう読めなくなってしまう
 CPUの高度化は本来持っていた意志と技術も平等化していく……

 (『湾岸MIDNIGHT』 33巻 27ページ)


……というわけで、作業完了のアナウンスがなされたので、帰って来ました。果たして本格的な専用機を取り付ける日は来るのか来ないのか? それに関しては正直わかりません。正直、ナビなしでアレコレ迷いながら走るのも楽しい部分があるからです。地図を見て「今の場所はここだから、こっちの方角に向かって走ればいいんだな」とかっていう意志と技術が研ぎ澄まされていくような気がして……


ピピピッ 「ETCカードを挿入してください」


……でも、この音声合成で作られたボイスを聞くと、デジタル的な装備をとりつけたい衝動が突き動かされちゃうんですよね。さて、これからどうなることやら……。




(注1:開発段階ではもっと違ったアレコレが検討されていたようです。詳しくはホンダ「テクノロジーストーリー」第四話を参照。0から1を造る苦労と感動が味わえます)



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